ユングの分析心理学で言う「ペルソナ」は、仮面と言う意味です。古代ローマの演劇で役者さんがつけていた仮面が由来です。私たちは日頃TPOに応じて、いくつものペルソナを使い分けて生活していると言うものです。

ペルソナは、自分の外的側面、周りに見せている自分のことです。現代的に言えば、キャラや役柄、役目などとも言えるでしょう。

 

家での自分、学校や職場での自分、趣味や仲間内での自分などで、表現や言葉遣い、態度など、その場に応じた変化があると思います。誰もが多面的なペルソナを持っているからです。

 

人間関係がいつもうまくいく人の特徴の1つとして、このペルソナを臨機応変にうまく使い分けています。だからと言って、裏表がある人。本音と建前を使い分ける人。人によって態度が変わる人というような悪い印象は受けません。

 

問題となるのは、一つの舞台を離れてもその仮面を外せずにいる人です。

家でくつろいでいるように会社でリラックスし過ぎていたら仕事にならないでしょう。職場から帰宅しても仕事モードで発言していたら、家族と距離ができてしまうかもしれません。

 

このようにその場に応じたペルソナの切り替えがうまくできていないと、人間関係に支障が出てきてしまいます。

 

また、あるペルソナが自分に合っていないと、心身に不調をきたしやすくなります。心身のバランスが崩れると、人間関係にも不具合が生じがちです。

 

ユングは、夢分析の専門家でもあります。自分が見た夢を分析することで、ペルソナとの関わり方が分かるとしています。とくに繰り返し同じような夢を見る場合、何か大切なメッセージを読み解く必要があるのだと思います。

 

パーソナリティの起源は、ラテン語のペルソナに由来しています。もともとはギリシャの古典劇で使われた仮面を意味していました。しだいに俳優さんの演じる役を意味するようになり、はっきりした個人的特質やその特質をもった人と言う意味になりました。ペルソナ(persona)はラテン語で仮面のこと、派生語で英語のperson(人)が生まれました。

つまり、個性、性格や人格と言う言葉の由来は仮面なのです。自分に合う仮面をつけること、その仮面を適時、自在に交換できるようになることが大切だとユングも説いています。

 

肉体労働し続けたら体が疲れるように、心も無理をしすぎると疲弊してしまいます。無理をしないことです。個性や人格を自然に輝かせるには、心の内側を磨いていくことが重要ですね。

どこにいても自分らしさを輝かせていけますように。

投稿者プロフィール

渡辺 恭代
渡辺 恭代くれたけ心理相談室【南信州支部飯田ルーム】心理カウンセラー・メンタルヘルスコーチ
長野県飯田市の心理相談室を拠点に近隣などへの訪問や、全世界でのオンラインでも、人生の苦楽を共にしながら、本当に望む幸せな人生創りをサポートさせていただいております。
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